カスタマーハラスメントへの取り組み
まずはじめに、令和7年6月に労働施策総合推進法が改正され、カスタマーハラスメントについて、事業主が雇用管理上必要な措置を講じることが義務化され、令和8年10月から施行されることとなりました。
建設、建築業のカスタマーハラスメントにおいて重要な要点を個人的にまとめると…
1.多層発注構造
施主→元請→一次下請→二次請→職人
という構造から上位者から下位者へ理不尽な要求が集中しやすい。
2.工期、原価の要求
その中で、工期、原価の要求が多くみられる。
工期の短縮、原価の削減「もう少し早く」「もう少し安く」「ついでにこれも」など、上位者からの「言ったもの勝ち」
が目立ち、それを容認せざるを得ない、という風土が残る。
3.現場の可視化
住宅街、オフィス街、道路などで作業することが多いので住民、通行人と直接接触することが多い。
なにか起きたら、それが正当なのか、そうではないのかを見極める必要がある。
・その内容は正当なのか?
施工の瑕疵(本来あるべき品質、性能、機能、状態が備わっているか)や役務内容に照らしどうか…
〈例〉契約範囲内での追加工事を無償で強要、設計変更を口頭のみで強要など。
・その手段は正当なのか?
要求手段が社会的にどうか…
〈例〉現場での怒鳴りつけ、謝罪の強要、SNSでの晒し、殴打、器物破損など。
・継続性、執拗製
頻度、時間帯、回数が過剰ではないか…
〈例〉深夜、早朝の電話、メール、LINEの問い合わせ、面会の強要など。
色々な観点から判断する事が重要だと思います。
また同じくらい重要だと思う事として、「カスタマーハラスメントでは無いことを明確にしておく」こと。
・契約書、仕様書、打ち合わせ議事録の確認
・建設業法、独占禁止法、下請け法の確認
・近隣住民の正当な苦情の範囲の確認
・通行人、第三者への配慮範囲の確認
必ずしも都合の悪いことがすべてカスタマーハラスメントでは無いという事を理解する事も同じくらい重要です。
そこの良し悪しを理解したうえで次に予防する事。
・契約書、特記仕様書、図面の確認
・追加工事、変更の協議手順の記明
・支払条件(時期、方法、遅延利息)などが明確か
・カスタマーハラスメント方針の掲示
・相談窓口の設定、共有
・深夜、早朝の連絡ルールの共有
・録音、撮影のルール
前もって予防線を張ることも重要だと思います。
その中で起きてしまうカスタマーハラスメント、どう対応するか…
1.安全の確保
身体的に危険がある場合は退避、必要ならば110番通報
2.事実記録
日時、場所、相手、言動、内容、目撃者、音声、画像、映像
3.上長へ報告
速やかな報告(メール、LINE等の日時、跡が残る手段)
4.相談接続
社内、部外への共有、接続
5.対応方針の決定
組織としての警告、面談、取引の継続等の方針を決定する
そこで一番重要な事はまず身の安全を確保する事。
次に事実記録を残す事。
・日時(分単位で、時系列)
・場所(現場名、部屋番号、道路、住所)
・相手(氏名、会社名、立場)
・内容(発言、行為:可能な限り原文で)
・手段(対面、電話、メール、SNS、文書)
・頻度(回数、期間)
・対応(誰がどうしたか)
・目撃者(同席者は居たか、誰か)
時代の変化とともに色々なことが起こりうる難しい世の中ですが、カスタマーハラスメントへの対策は
これからの建築業の未来や、社員の事業環境を整えるという意味でも
会社を守る意味でも、とても重要な取り組みになると思います。
弊社、有限会社シバタ大工は立場上、下請けにも元請けにもなる機会があるのでしっかり内容を理解し、
現場環境をを少しでも豊かにすることを心がけてまいりますのでよろしくお願い致します。
有限会社シバタ大工 代表取締役 柴田 一成
